【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
翌日、これからここでお世話になるのだからと、ロバートにソフィアの事を説明した。ソフィアはマリーに預けてきたので、執務室にはロバートと私の二人だけの状況だ。
私の話をひとしきり聞き終えたロバートは、穏やかに話し始める。
「お嬢様はご立派になられましたな。もうマリーベルと一緒に走り回っていたお嬢様ではないようですね。…………今回の件は承知いたしました。しかしながら、これからは孤児を連れてくるというのは慎重になされますよう」
やっぱり親子ね、マリーと同じ事を言うところが。それだけ考えがしっかりとしているという事だろう。
「そうね、気を付けるわ」
「お嬢様はお優しいお方です。そのお気持ちを利用しようとする輩がいる事もお忘れなきよう。孤児と言っても仕事としての物乞いなどもおります。わざと貧しいフリをして支援をねだる者もいるのです。それらを見分けるのは至難の業でしょう……」
仕事としての物乞い…………そこまでは考えていなかったわ。ビジネスにしているという事?前世で言う詐欺のような集団の事かしら…………そんな人たちが屋敷に住むようになったら……想像するとゾッとしたわ………………
「そうね、私の考えが甘かったようだわ。以後気を付けます」
「いえ、ソフィア様に関しては心配ないかと思っております。虐げられてきた様子が手に取るように分かりますので…………」