【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
交渉成立
私が領地経営を学びたいと言った事が寝耳に水だったのか、ロバートは目を丸くして驚いていた。そりゃそうよね……王太子妃候補とは言え、箱入り娘の公爵令嬢が領地経営を学びたいと言い出すんですもの。
何が起こったのかと思うかしら。
「…………領地経営、ですか?失礼ですが、お嬢様は王太子殿下とご婚約していらっしゃいますよね?なぜ領地経営を学ぶ必要が…………いや、そう思われた理由をお聞きしても……?」
ロバートは私の真意をはかり兼ねているのか、慎重に聞いてきた。
どうやって返そうかしら…………前世の知識でも領地については知っているけど、領地経営については全く分からないから教えてもらおうと思ったんだけど……オリビアが領地経営を勉強していたのかは小説に書かれていなかったし、今の私の頭にもないという事は学んでいなかった可能性が高い……嘘は心苦しいけど、王太子妃教育って言えばロバートも協力せざるを得ないわよね。一か八か言ってみるしかないわ。
「領地経営はね……そう、王太子妃教育の一貫なのよ!未来の国王陛下をお支えするんですもの。国の仕組み、領地の仕組みを知らなければ、共に国を発展させていくなんて無理でしょう?私はお飾りの王太子妃になりたいわけではなくて、共に歩んでいける人間として隣にいたいのよ……」
自分で言っていて流石に話を飛躍させ過ぎたかなと思いつつ、ちょっぴり落ち込む自分がいた。