【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
「これがいいのね。あなたはセンスがいいわ!じゃあこれを買いましょう」
私がそう言うとソフィアが私の腕を掴んで頭をブンブン振って止めようとする。遠慮しているのかしら…………
「これは私がソフィアに飾ってほしいの。これを買ったらお部屋に飾ってくれる?」
そう言うと少し沈黙した後、また頭を縦にブンブン振ってくれたので思わず笑顔になってしまったわ…………なんでも買ってあげたくなっちゃう。過保護には気をつけないと。
そうして私はゼフにガラス細工を渡して、お会計を済ませてきてもらった。お会計から戻ってきたゼフが私を見て頷くと、ソフィアの前にしゃがみ込んで目線を合わせ、彼女に渡してくれた。
ゼフって紳士ね………………ソフィアの顔は真っ赤だわ。今までお嬢様のように渡された事はなかっただろうから、無理もないんだけど。
ゼフは相変わらずの無表情で立ち上がり、スタスタ歩き始める。
二人のやり取りを見て、何やら私の方が気恥ずかしい気持ちになってしまうのだった――――――