【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~

市場巡り


 ガラス細工を購入したお店から少し歩いた場所に魚介類がズラリと並ぶ出店があり、そこではとれたての新鮮な魚や、見た事もない貝類が並んでいた。美味しそう…………前世では魚介類が大好きだった私なので、よく子供たちに魚をさばいて食べさせていたな……昔の光景を思い出して懐かしんでいると、魚屋の元気なおじ様が声をかけてきた。

 
 「お嬢さん、この辺りで見ない顔だね。ウチの店の魚に目がいくとは見る目があるってもんだ!ここの領地近海は海水温度が高過ぎず低過ぎないから、魚たちには住みやすい生育環境なんだ。活きが違うだろ?」

 
 そう言って活きのいいお魚を自慢してくれる。我が領地ながら、こんな風に褒められるのはとても嬉しいものね!
 
 お魚も温度が高い方が良かったり、低い方が良かったり色々な種類がいるんでしょうけど、この近海の魚たちは高過ぎず低過ぎずが適温って事ね。本当に肉付きが良くて……丸焼きにしても美味しそう…………

 
 「凄く身がたっぷりありそうね!食べ応えがありそうだわ……」

 
 そう言う私の顔が大層輝いて見えたようで、奥から丸焼きにしたお魚を持ってきてくれた。

 
 「ほらよ!ウチではこういうのも売っているのさ。これを食べたらまたウチに来たくなるだろうな~。今回は特別にタダでやるよ!お連れさんと皆で食べてくれや!」
< 70 / 512 >

この作品をシェア

pagetop