【書籍&コミカライズ作品】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~【第三部更新中】
俺は傷つけられた幼い女の子を抱きかかえながら、この子も自分と同じ運命を辿りそうだなと、あの時の自分と重ねていた――――そしてその少女は、オリビア様の元で過ごす内にどんどん健康的になっていった。名前をソフィアと名付けられて、5歳だが3歳くらいの背丈しかない。
ここまで成長が著しく遅いのも初めて見る…………彼女がいかに劣悪な環境にいたかが分かるようで、常にビクビクし、声もほとんど発しない。時々相手をしてやると花が咲いたように笑う。
これが本来の彼女の姿なのだろう。
オリビア様が買ったガラス細工をソフィアに目線を合わせて渡すと、顔が茹で上がったのではないかというくらい赤くなる。
熱か?
オリビア様に任せるべきだったかしばらく考えた…………こういう事を考えるのは苦手分野だな。戦いなら自信はあるのだが。ソフィアを見ていると、あの時生き別れたコウダ達を思い出して世話を焼いてしまう。何とかしてあげたい気持ちにさせられるのだ――――