【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
しまった、つい前世の言葉が出てしまう。
「あ、要するに謝ったりしなくてもいいわよって事!」
焦って訂正するとロバートは少し考え「お嬢様のお心遣いに感謝します…………」と同意してくれた。良かった!
「しかしご立派になられましたな……今回の件を解決出来たら、お嬢様の成長に旦那様も大層お喜びになるでしょう」
ロバートは目を細めてそう言っている。でも…………これから言う言葉を聞いたらきっと成長していないと思われるに違いない。
「ありがとう。ロバートにはもう1つお願いがあるんだけど………………その……街は大変賑わっていて素晴らしいと思うの。でも私には貧民街に住む人々の事も気になっていて……」
そう言うとまたしてもロバートの顔色が変わる。
「まさかお嬢様…………」
「あそこを見に行ってくるわ。だから、その……お父様には内緒にしてもらいたいの…………」