【書籍化&コミカライズ決定】悪役令嬢に転生した母は子育て改革をいたします~結婚はうんざりなので王太子殿下は聖女様に差し上げますね~
上目遣いでそう言うと、予想通り反対された。
「お嬢様をあのような場所に行かせる事など、断固として賛成出来ません!あそこはとても危険なのです……お嬢様のような方が行けばどんな目に合わされるか…………どうか考え直してくださいませ……」
ロバートは顔を真っ赤にして説得しようとしてくる。それだけ私を心配してくれている証拠だろうと思うと、胸がじんわり温かくなるわ。でもこんな豊かな領地でもそのような場所は存在し、子供たちが飢えている現実をきちんと見なければいけない。ソフィアのような子を一人でも減らす為に…………
「私の気持ちは変わらないわ。公爵家の者として、きちんと現実を見てこなければ。今領地に来ているうちに少しでも見ておきたいの」
「………………………………」
私の覚悟が伝わったのか、ロバートが諦めの溜息をついた。
「…………分かりました。これ以上言ってもどうしようもない事なのでしょう。ゼフを必ずお供に連れて行って下さいませ。決して深入りし過ぎない事を約束してください……」