目と目を合わせてからはじめましょう
 「俺が、食器を運ぶよ」

 「ありがとう」

 彼女は、流し台に立ち洗い物を始めた。俺は、食器を運び、テーブルを拭く。

 洗った食器を、伏せて並べる彼女に言った。

 「食洗機使ったらどうだ?」

 「ええ? どこにあるの?」

 右の下の扉だ。

 「ああ。これ、食洗機だったの? おしゃれでわからなった」

 「おいおい」

 二人で片付たせいなのか、キッチンが綺麗に整ったように見える。


 「洗濯物、畳みますか?」

 タオルで手を拭きながら、咲夜がソファーに積み重なった洗濯物へと向かって歩いていく。

 「そうだな」

 俺も、ソファーへと向かった。


 床に座ると、シャツを手にするが上手く畳めない。

 「台の上でやると上手くいきそう。折り紙みたいに畳んで…… シャツはハンガーでいいんじゃない?」

 「そうか?」

 俺は、シャツは諦めハンガーにかけると、クローゼットにしまった。


 彼女と向き合って座り、Tシャツをテーブルの上に広げて伸ばした。ああ、確かに畳みやすい。

 クローゼットにしまう事が出来なかった衣類たちが綺麗に片付けられていく。

 「ねえ。なんか、私の下着ばかり畳んでない?」

 彼女が怪訝そうな顔で俺の手元を見る。


 俺がテーブルに乗せたのは、水色のレースのついたパンツ。彼女のものであるのは間違いない。

 「そんな事はない。たまたまだ」

 「そうかな? 雨宮さんの横、私のブラジャーとパンツが積み重なってるじゃない?」


 意識せずとも、勝手に手が彼女の下着を手にしてしまうのだから仕方ない。条件反射ってやつだな。

 「いいだろ。これが一番綺麗に畳める」

 「こっちも畳んでよ!」

 彼女が俺のボクサーパンツを、パサっと差し出した。


 「ああ。それはちょっと畳みにくいんだよな。咲夜が畳んでくれ」

 「はあ? そんなわけないでしょ! 全く、SPなんだか、変態なんだか」

 ぶつぶつ文句言いながら、俺のパンツを畳んでる咲夜が面白い。

 「それは、心外だな。俺はただ洗濯物を畳んでいるだけだ」

 俺は、またもや彼女のパンツを手にして言った。
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