目と目を合わせてからはじめましょう
 雨宮は言葉の通り、買い物には寄らず、マンションへと向かった。部屋に入り玄関のドアが閉まると同時に、雨宮に抱き寄せられる。

 「玄関で、いきなり……」

 言いかけた唇が、あっさりと塞がれる。雨宮の唇によって……

 「うっ、うっ……」

 雨宮が、キスをしながら靴を脱ぐので、私も靴を脱いで玄関に上がる。そのまま、雨宮は私のカーデガンに手をかけると、そのまま脱がせ落とした。

 止まないキスに、気持ちよくなってくるし、雨宮の力になんて敵うはずもなく、そのまま寝室へと進んで行った。

 ベッドに辿り着いた時には、下着だけになっていた。

 もう、何が何だか。


 「あっ… 激しすぎっ」

 「咲夜が悪いんだ。あんな風に嫉妬されたら、俺がどれだけ咲夜を思っているか、教えるしかないだろ?」

 「そっ、そんな……」

 雨宮の手が、ブラジャーをたくし上げると、そのまま吸い付いてきた。

 「いやぁっ…… ああっ」

 何度も何度も激しく、あらゆるところからイカされて、何度も奇声を上げてしまった。やっと雨宮に解放された時には、動けないほどぐったりしていた。


 ベッドの上に、二人で寝転がると、雨宮の腕が頭の下に入ってきた。腕枕されながら、まだ、整い切らない息を吐く。

 「分かったか?」

 ぼそっと雨宮が言った。

 「うん。十分に……」


 確かに、醜い嫉妬をした私が悪いかもしれないが、これはないよ。でも、この数日間抱いていた胸のモヤモヤは無くなっていた。

 やっぱり、気になる事は話し合った方がいいのだと、つくづく思った。

 「なあ咲夜。嫉妬しているのは、咲夜だけじゃない。俺だって嫉妬していた」

 思ってもいなかった雨宮の言葉に驚きしかない。
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