目と目を合わせてからはじめましょう
うーん

頬の辺りが柔らかい物に包まれて気持ちい。よく寝た気がする。

「あっ、あの……」

頭の上からの掠れた声に顔を上げた

「えっ?」

何となく見覚えのある視線があった。


一瞬にして、蘇ってくる。確か、警護の帰りに防犯確認頼まれ……
この女性は確か……
嫌な予感しかしない。

「ああーーー」

俺は、どうしていいか分からず、ただひたすら頭を下げた。


「もうしわけない!」

 土下座するしかない。


「どっ どいて…… 」

怒っているように聞こえる彼女の声に、恐る恐る顔を上げた。
えっ?

これは、見てはいけない、見たいものではないだろうか?

黒いレース。そこからしなやかに流れる、長い肌色。足じゃないだろうか?
しかも、大きく開かれ、俺を呼んでいるように思える。
いや、違う。まずいぞこれは!

慌てた俺は、彼女の股に向かって土下座していた。

「いやあああ」

彼女の掠れた悲鳴に、俺はは正座したまま後ろに下がった。


どういう事だ?
理解しようとすると、つい目が彼女の股に行ってしまう。

なぜ閉じない?

「あ、足が……」

足が動かないのか?

慌てて彼女の足を持ち上げた。そっと持ち上げたつもりなのに、彼女は悲鳴を上げた。今度は、もっと丁寧に少しづつずらしていく。

彼女の足を閉じながらも、開きたい感情が湧いてきた。頼む、俺の悪魔よ消えてくれ。


 やっと閉じた彼女の足。でも見えてしまう黒いレース。本当は、下ろしたい黒いレースを拝みながら、俺は捲り上がったスカートを下ろした。
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