目と目を合わせてからはじめましょう
「ねえ、悠太。あの男の人誰か知ってる?」
「ああ、なんかSPらしい」
「はあ? なんで?」
「なんでって? なあ、じーちゃんなんでSP付いてもらったんだ?」
悠太の声に、湯之原のじーちゃんが、眉間に皺を寄せて深刻な顔をした。思わず、食べかけたチキンを飲み込んだ。
そうは言ってもSPに警護を依頼するぐらいだ、何か大きな事件に巻き込まれたのかもしれない。
思う事は皆同じなのか、不安気にじーちゃんの顔を見る。
「それがな…… 先月、大臣と一緒にいた友人が襲われてな。古くからの友人だったのに……」
「ええっー」
皆が一斉に声を上げた。
「そんなニュースあったか?」
悠樹が首を傾げながら言った。悠樹は、兄弟の中で唯一パパの才能を引き継いだのか? 継がなかったのか? わからないが、パパの会社キザキでデザイナーとして働いている。ただ、パパのデザインするシックで温かみのある物とは違い、なんだかよくわからないが斬新で使い勝手の悪い物が多いが、それはそれで人気があるらしい。
「その友人の容態は?」
パパが、心配そうに言った。
「それがな…… はあー。大きな擦り傷でな!」
えっ?
擦り傷? 大きな?
じーちゃんが大事件のように言った。
SPさん、何故、引き受けた。見たらわかるでしょ? 襲われる要素などない、大臣などと知り合いもいない。もし、襲う人がいるなら聞きたい。なぜ襲ったか? まあ、お金はあるかもしれないが。
でも、ヤクザじゃなくてSPで良かったのか。
杖をついてトイレに立ち上がるじーちゃんを見て思う。SPより介護ヘルパーさんお願いした方がいいんじゃないだろうか?
何だか、皆気が抜けたように、料理を食べ始めた。
「ねえねえ咲夜ちゃん、いい人とかいないの?」
友梨佳おばさんが、目をキラキラさせて聞いてくる。
「いませんよー」
そんな事、知っているだろうに。
「だったら、とっても素敵な人がいるんだけど、会ってみない?」
「それだけは辞めておくわ。ホテルに監禁されたらたまらないもの」
「あははっ。そんな事するわけないじゃない」
「よく、言えるな?」
「よく、言えるわね?」
パパとママの呆れた声が、全てを物語っている。
「ああ、なんかSPらしい」
「はあ? なんで?」
「なんでって? なあ、じーちゃんなんでSP付いてもらったんだ?」
悠太の声に、湯之原のじーちゃんが、眉間に皺を寄せて深刻な顔をした。思わず、食べかけたチキンを飲み込んだ。
そうは言ってもSPに警護を依頼するぐらいだ、何か大きな事件に巻き込まれたのかもしれない。
思う事は皆同じなのか、不安気にじーちゃんの顔を見る。
「それがな…… 先月、大臣と一緒にいた友人が襲われてな。古くからの友人だったのに……」
「ええっー」
皆が一斉に声を上げた。
「そんなニュースあったか?」
悠樹が首を傾げながら言った。悠樹は、兄弟の中で唯一パパの才能を引き継いだのか? 継がなかったのか? わからないが、パパの会社キザキでデザイナーとして働いている。ただ、パパのデザインするシックで温かみのある物とは違い、なんだかよくわからないが斬新で使い勝手の悪い物が多いが、それはそれで人気があるらしい。
「その友人の容態は?」
パパが、心配そうに言った。
「それがな…… はあー。大きな擦り傷でな!」
えっ?
擦り傷? 大きな?
じーちゃんが大事件のように言った。
SPさん、何故、引き受けた。見たらわかるでしょ? 襲われる要素などない、大臣などと知り合いもいない。もし、襲う人がいるなら聞きたい。なぜ襲ったか? まあ、お金はあるかもしれないが。
でも、ヤクザじゃなくてSPで良かったのか。
杖をついてトイレに立ち上がるじーちゃんを見て思う。SPより介護ヘルパーさんお願いした方がいいんじゃないだろうか?
何だか、皆気が抜けたように、料理を食べ始めた。
「ねえねえ咲夜ちゃん、いい人とかいないの?」
友梨佳おばさんが、目をキラキラさせて聞いてくる。
「いませんよー」
そんな事、知っているだろうに。
「だったら、とっても素敵な人がいるんだけど、会ってみない?」
「それだけは辞めておくわ。ホテルに監禁されたらたまらないもの」
「あははっ。そんな事するわけないじゃない」
「よく、言えるな?」
「よく、言えるわね?」
パパとママの呆れた声が、全てを物語っている。