目と目を合わせてからはじめましょう
しばらく鳴り続けていたが、俺が出るわけにもいかず、そのままにしておくしかない。やっと、鳴り止んだと思ったら、今度はテーブルの上の俺のスマホが鳴った。
見覚えのない番号だ。
「はい」
『雨宮さん?』
聞き覚えのあるような、ないような女性の声。
「はい。そうですが……」
『湯之原です。咲夜の祖母です」
「あっ、その説はお世話になりました」
何故、彼女の祖母が?
『いいのよそんな事は。それより、夕べの事は娘夫婦から聞いたわ。びっくりして心臓止まるかと思った。怖いわね。それでね、さっきから咲夜に電話しているんだけど、ちっともつながらないのよ。咲夜、どうしたのかしら?』
「ええ。まだ、寝ておりますが」
そのままの状況を伝える事に、何も抵抗を感じ無かったのが間違いだった。
『えっ?』
「えっ?」
なぜか聞き返されたので、そのまま聞き返してしまった。
『どこで?』
「ベッドですが……」
『どこの?』
「私のマンションですが……」
『えっ』
「えっ」
しまった! と思った時にはもう遅かった。誘導尋問に引っかかってしまった気分だ。
『あらやだ。そう言う事だったの。お邪魔しちゃってごめんなさい」
「いえっ。そう言うことでは、その……」
『いいのよ、いいのよ。今日はゆっくり休むように伝えてね。…… ちょっと、あなたぁー ツーツー」
通話は勝手に切れた。
なんだか、ややこしいことになってしまったんじゃないだろうか?
彼女になんて説明しようかと、寝室のドアを開けると、自分の目を疑った。
これが、大の字ってやつなんだな。
ちゃんと彼女にかけておいた布団は、ベッドの下におち、両手を広げ、足は大きく開かれている。なんか、前にも見た光景だ。ああ、また要らぬ事を思い出してしまった。
俺は、目を閉じて、バタンと寝室のドアを閉めた。
見覚えのない番号だ。
「はい」
『雨宮さん?』
聞き覚えのあるような、ないような女性の声。
「はい。そうですが……」
『湯之原です。咲夜の祖母です」
「あっ、その説はお世話になりました」
何故、彼女の祖母が?
『いいのよそんな事は。それより、夕べの事は娘夫婦から聞いたわ。びっくりして心臓止まるかと思った。怖いわね。それでね、さっきから咲夜に電話しているんだけど、ちっともつながらないのよ。咲夜、どうしたのかしら?』
「ええ。まだ、寝ておりますが」
そのままの状況を伝える事に、何も抵抗を感じ無かったのが間違いだった。
『えっ?』
「えっ?」
なぜか聞き返されたので、そのまま聞き返してしまった。
『どこで?』
「ベッドですが……」
『どこの?』
「私のマンションですが……」
『えっ』
「えっ」
しまった! と思った時にはもう遅かった。誘導尋問に引っかかってしまった気分だ。
『あらやだ。そう言う事だったの。お邪魔しちゃってごめんなさい」
「いえっ。そう言うことでは、その……」
『いいのよ、いいのよ。今日はゆっくり休むように伝えてね。…… ちょっと、あなたぁー ツーツー」
通話は勝手に切れた。
なんだか、ややこしいことになってしまったんじゃないだろうか?
彼女になんて説明しようかと、寝室のドアを開けると、自分の目を疑った。
これが、大の字ってやつなんだな。
ちゃんと彼女にかけておいた布団は、ベッドの下におち、両手を広げ、足は大きく開かれている。なんか、前にも見た光景だ。ああ、また要らぬ事を思い出してしまった。
俺は、目を閉じて、バタンと寝室のドアを閉めた。