友達じゃ、やだ。

私は曖昧に笑って、誤魔化した。



「まぁ、いいけどさ」と、お兄ちゃんも隣で髪の毛を整え始める。



お兄ちゃんはオシャレで。

カッコいい人……、なのかもしれない。

妹の私からすれば、よくわからないけれど。

でも、知らない女子からお兄ちゃんの連絡先を教えてほしいと頼まれて困ったこともある。 

航くんと並んで歩いていると、キャーキャー言われているもんね?



それに比べて、私は……。




鏡に映る自分を見て、ちょっとガッカリしてしまう。

きっちり三つ編みにした髪の毛の先が、ちょっとだけハネている。

……ダサい、のかな?

私って。



(こんな私のこと、航くんが好きでいてくれるはずない)



外見も中身も。

ちっとも自信が持てない。





登校して。

午前中の授業は、ちっとも頭に入らなかった。



航くんとのことを考えてしまって。

ぼんやりしてしまった。

< 7 / 19 >

この作品をシェア

pagetop