ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険


「あ、あなたには、関係ないから」


まさか告白されるとは思わなかったけど、告白される瞬間を好きな人に見られるとも思わなかった。言いようのない恥ずかしさから、思わずキツイ言い方になってしまう。

私の顔が、カッと赤くなったのを見て。

香月雅はすぐ動いた。

グイッ


「え、」

「ちょっと来て、仁奈」

「いた、ちょっと、なに?ねぇ!」


香月雅に腕を引かれ、教室を後にする。

遠くで「おい香月!」と響谷くんが呼んでるのが聞こえたけど、補習の先生が入室したのか、それ以降は何も聞こえない。


「ちょっと、私これから補習なんだけどっ」

「……」

「ねぇ!」


いくら大声を出しても聞いてくれない。どうしよう、何を言ったら止まってくれるの。力じゃ敵わない!

すると、空いていた教室に入る。勢いよく扉が閉まった瞬間、


「んんっ!」


香月雅に、キスをされた。
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