ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
「サボったから先生怒ってるだろうなぁ……」
遅れて教室に戻ると、私の机上に一枚のメモが置かれてあった。ノートをちぎったのか、変な形をしている。
開いてみると、差出人は響谷くん。
【 大丈夫だったか?これ俺の連絡先。何か困ってるなら相談のるからな 】
響谷くん、強面なのにスゴク優しい。これもギャップだ。小夜ちゃんに話したら、また推しが増えちゃうかな?
「いやいやいや、〝ギャップだ〟じゃないよ……」
メモ用紙を握ったまま、ため息をつく。頭の中では、さっきの事がグルグル回ってる。
『他のヤツの物になっちゃヤダ』
そう言って出て行った香月雅。カバンを持っていたと知ったのは、彼が見えなくなる数秒前。
その時、私は見つけてしまった。
『おそろい~』
『寂しかったり元気がなくなった時は、黒ネコ(俺)を見て笑って』
彼のカバンには、昨日交換した白ネコがつけられていた。
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