ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
*雅*
*雅*
良く言えば親切で、悪く言えばお節介な一言から始まった、俺と仁奈の関係。さっき美麗には「友達」と言ったけど……恋を教える仲って、なんて言えばいいんだろう。
でも「もう悩んでも仕方ないことだ」って。そう思っていた。だって俺は仁奈をあからさまに避けたし、見て分かるほど距離を置いたのだから。
仁奈に告白をされた、あの日から。
『好き……なんだと思う』
きっと一世一代の告白だったに違いない。俺みたいなタイプを「好き」と認めるのに、仁奈自身がどれほど苦労したか――恋に悩んで来た彼女だからこそ、その葛藤は手に取るように分かる。
分かるからこそ、感謝しているんだ。仁奈が勇気を出して俺に歩み寄ろうとしてくれたことは、素直に嬉しかったから。
でもさ、仁奈。