ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
「抹茶ジュースに合うお菓子がいいな。六本買うって約束したの」
「俺も一本頼まれたから、計七本だね。たくさんお菓子を買って、ちょっとしたパーティしようよ」
「……美麗ちゃんは〝二人で帰ってきて〟って言ったけど。本当に、私も一緒に帰っていいのかな」
実は、いま顔を見たくないんじゃ――なんて心配していると、雅のスマホにメールが入る。送信元は美麗ちゃん。
【一人で七本も飲めるわけないんだから、絶対に彼女を連れて帰ってきてね!絶対だよ!】
「一緒に帰ってイイみたいだよ?」
「……うん、本当だ」
「わが妹ながら、いい子だね」
「うん、本当に!」
美麗ちゃんの心に触れて、温かくなる。
雅と手を繋いで、温かくなる。
今日の私は、温かくなりっぱなしだ。
今まで手の平から零れ続けた愛を、急速に摂取してるみたい。心があったかくなる。愛ってやっぱりイイな。愛されるって、素敵なことだな。