ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
「……っ」
「仁奈?」
急に寡黙になった私に、すぐ雅が気づく。動かしていた足を止め、私の正面に回る。その時。私が委縮してるのを感じ取ったのか、膝を曲げて座った。自分よりも目線が低くなった雅。すると、今までつっかえていたものが、スルスルと口から出て来た。
「私ね、少しだけ不安なの」
「うん。話して」
「私って恋愛初心者だから、雅と差が開きすぎてるっていうか。また〝子供っぽい〟って雅にフラれるんじゃないかなって。それが、不安」
「ふーん」
「……ふーん?」
え、それだけ?
まさかの返答にビックリしていると、雅がジト目で私を見た。
「つまり仁奈は、俺と元カレたちが一緒だって。そう言いたいの」
「ん゙ん……!?」
新しい解釈に、思わず喉がうなる。そうきたか……。しかも、この感じ……怒らせちゃったっぽい?