ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
いつもニコニコしていたのに。
どんな時もヘラヘラしていたのに。
付き合った途端、こんな歯が浮くようなセリフを真顔で言うなんて……卑怯だ。ズルい。なんて攻撃力の高いギャップなの。
(小夜ちゃんが言ってた通りだ……)
男子も女子も関係ない。ギャップ萌え・破壊力の、なんと凄まじいことか。その攻撃を、イケメン雅から浴びせられるんだから……とうてい私に勝ち目はない。
「俺の言うこと信じた?」
「しん、じた……」
「心の底から信じた?まだ不安なら、俺がどれほど仁奈を好きか今から小一時間ほどココで、」
「信じた……!」
死ぬほど好き、なんて真顔で言われて。あんな真っすぐな瞳を向けられたら……信じるより他ない。泣きそうだった私の顔も、今や幸せ絶頂の顔に早変わりしている。