ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険


「仁奈。口、あけて?」

「!」


顔を真っ赤にして、目に涙をためて。恥ずかしそうにする素振りを見せておきながら、何かを期待した口もとが静かに震えたのを、俺は見逃さなかった。

あぁ、いいなぁ。可愛い。

初々しい反応も、快楽への興味も。これから俺が教えてあげられると思うと、どうしようもなく高揚する。

これから時間をかけて、仁奈にアレコレ教えていこう。だから焦っちゃダメ。焦りは禁物――って。


そう思っているのに。


『や、雅ぃ……っ』

『まだだよ、仁奈。舌、もっと出して』

『もぅ、むり、……んぁっ』

『はぁ、きもちい』


俺の頭の中の映像が、勝手に塗り替えられる。俺の欲望に忠実な、神秘的な映像へと。

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