ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
思わず笑ってしまう。だって俺の彼女ったら、考えることが本当に純粋で。信じられないくらい、かわいい。
手放すわけないじゃん。俺が呆れるわけないじゃん。そういうコトに恥ずかしがる仁奈を、俺は見られるわけでしょ?そんなのご褒美でしかないって。
それなのに「嫌いにならないで」なんて。いじらしい事を言われたら、ここが路上ってことも忘れてキスしちゃいそう。(※「嫌いにならないで」は雅くんの妄想です)
「はぁ、大好き……」
「え、えぇ?」
俺がポツリと零した言葉でさえ、こんなに赤く反応する君。ダメ、癖になりそう。やみつき。
「仁奈が大好き。ずっと俺の腕の中に閉じ込めておきたいな」
「きゅ、窮屈だから……やめて」
(ド天然な返し、百点満点)
俺が割と重たい発言しても、仁奈ったら、こんな調子。
俺の思う「重い愛」は、今まで彼氏に大事にされなかった仁奈にとっては新鮮らしい。重かろうと軽かろうと、全力で反応してくれる。あー、かわいい。