ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
「俺はね、正直……俺の家で仁奈と二人きりで、嬉し過ぎて距離感まちがっちゃうかもしれない。その時に仁奈が傷つくのが嫌なんだよ」
「それって、つまり……」
「俺が、君を襲う可能性があるってことです」
「……、っ!」
遅れて反応する仁奈。やっぱり分かってなかった。俺の彼女ってウブだからさ、ね?可愛いでしょ?
男と二人きりになるのがどういう事か。今まで俺に散々イジワルされてきたのに、まだ分かってないんだよ?本当、教えがいがある。
「逆に、それ以外の理由で……どうして俺の家に来たいって思ったの?」
「それは……」
しばらく仁奈は黙った。だけど視線は……俺の顔?いや、ちょっと違うな。あ、わかった。
ピアスだ。
「これ、とってほしい?」
これ、といった時にピアスを触る。すると仁奈は、弾かれたようにビクリと反応した。