ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
重たくしか愛せない自分が嫌だった。変えようと思っても、それは自身に根付いていて直せるものではなかった。だから隠した。偽りの自分の下に、重たい俺を沈ませた。
だけど、どんな深くに沈んでいても。
どんな暗い場所に隠しても。
仁奈は見つけてくれるんだ。
俺を、拾い上げてくれるんだよ。
「すき、好き仁奈」
「んぅ……っ、ぁっ」
仁奈の眉間がゆがむ。背徳感と、快楽の間で溺れている。もがいている。苦しんでいる。だけども俺を突き放さないのは、きっと仁奈が酔っているからだろうな。危険なキスに、俺との行為に――
「もう部屋に、いい?」
「え、あ……っ」
「襲わないから。キスしかしないって約束する」
「~っ、わ、私!」
仁奈が口を開けた、その時だった。