ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険
「チーム決めるぞー。グッとパー!」
別れ話が終わり、真っすぐ帰る彼とは違って。家に帰る気にならなかった私は、近くの公園に立ち寄りベンチに腰かけている。
公園では小学生の男子らがサッカーをしている。
けど、チーム分けに不満があったらしい。背の高い男の子が、背の低い男の子を、眉をしかめて見下ろした。
「なんでお前と一緒のチームなんだよー!」
「そんなひでぇ事いうなよぉ!!」
思いの丈を、これでもかとぶつけあっる様を見ると……さっきの自分が、限りなく惨めだ。
彼氏の一方的な別れの理由に「わかった」なんて。今まで築いてきた思い出を、たった四文字で帳消しにしてしまった。
縋りつきたい気持ちはあれど、それを言葉にする術を持たないというのは……惨め。コレに尽きる。