ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険

「あ、そう言えば幼なじみに誕プレあげたいから、ちょっと買い物に付き合ってくれない?」

「小夜ちゃん、幼なじみいたんだ。そして誕プレをあげる仲なんだ」


初情報に驚いていると、「仁奈はいないの?幼なじみ」と聞かれた。……いるよ。幼なじみ兼、元カレだけど。


「でも付き合う前だって、誕プレをあげる仲ではなかったなぁ。中学校も高校も違うから、めっきり会ってないし。小夜ちゃんは?幼なじみは同じ高校なの?」

「うん、隣のクラス」

「近っ!」


しかも小夜ちゃん的には、その幼なじみと恋仲になりたいらしい。珍しく乙女な小夜ちゃんは、恋が進展しないやきもきを、ショップに着くまでの間これでもかと話してくれた。


「アイツって鈍感だからさ~、私の気持ちに全然気づかないわけ」

(小夜ちゃん、文句を言ってるけど幸せそう……いいなぁ)

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