ゆがんだ溺愛は、芳醇で危険

『さすが雅くん。ドのつくクズだわ』
『でも隠れて浮気するより良くない?』
『思った。いっそ清々しいよね』

(これは姫岡さん、相当に怒るんじゃ……)



自分の肩を持つかと思いきや、まさか香月雅の肩を持つ親友たち。姫岡さんが怒るのは無理ない話だ……って。そう思っていたのに。



『私も、雅くんって素直な人だなって思ったの。そこがまたイイナって。だから〝何番目でもいいから雅くんの彼女でいたい〟って言ったの』

(なんで!?)



衝撃で、ハンカチを落としそうになる。間一髪セーフだったけど……姫岡さんの思考は、完璧にアウトだと思う。

だって「二股どころか何股でもします」って宣言しちゃってる男子を……彼氏にしたい、なんて。いくら香月雅がイケメンだからって、そんなの間違ってるよ。絶対おかしいって。
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