青春は、数学に染まる。 - Second -
数日後。運命のテスト当日がやってきた。
私の目は、バッキバキになっていた。
「目が血走っているよ。大丈夫?」
「大丈夫。大丈夫」
数学の勉強量が増えるということは、必然的に所要時間が増える。
今まで他の科目を勉強していた時間が数学に充てられることになるのだが、そうすると今度は他の科目が疎かになる。
90点以上は維持しなければ…。
ということは、削るのは睡眠一択。
故にこの考査期間はまともに寝ていない。
「真帆、クマも凄いよ。どれだけ勉強したのさ…」
「ふふふふ」
「ふふふじゃないよ…」
今日も朝からエナジードリンクを補給してきた。
これでテスト時間も完璧。
その後、無事に考査期間も終了し、答案用紙の返却時期となる。
数学の返却は、今回も最後みたい。
絶対私に対する嫌がらせだろう!
そう思うが、まぁ授業の時間割りがそうなっているから仕方がない。
「何でいつも数学が最後かね」
「本当ね。ていうかさ、あれから早川先生とは全く話していないの?」
「うん、全く。連絡も来ないよ」
「何だそれ!!!」
あの日から1週間以上が経つ。
早川先生から音沙汰はない。別に待っているわけでもないけれど。
私だって、連絡していないのだから。
「しかし凄いねぇ真帆。テスト当日は目がバキバキで心配だったけど、今のところ全部90点以上なんだね」
「そうそう。国語は90点ジャストで少し焦ったけど、他はいつも通りいけた」
いつも以上に数学に時間を掛けすぎて他の科目が心配だったが、全てクリアできた。
勉強も疎かにしないというお父さんとの約束をきちんと守れている。