青春は、数学に染まる。 - Second -
取り巻き
「ねぇ、藤原さん。ちょっと裏に来てよ」
「…は?」
ある日の放課後。
終礼が終わってすぐに関わりのないクラスの女子が4人も話しかけてきた。
「いや、ごめん。今から部活なんだけど」
「そんなのどうでも良いじゃん。とにかく来いよ。ほら」
「え、真帆?」
無理矢理私の腕を引っ張って教室から連れ出される。
「有紗、先行って! 後で行くから先生にもよろしく」
「え、えぇ!?」
腕を引っ張られながら考えた。
この人たち、あれだ。
神崎くんの取り巻きたち。
実は今もまだ、神崎くんによるアピールは継続していた。
ふとした時に現れては、雑談をして去っていく。
そしてそれを、取り巻きたちが良く思っていないことも気付いていた。
だからこそ、早川先生に相談なんて出来なかったのだ。
…呼び出されるとまでは思っていなかったけれど。