青春は、数学に染まる。 - Second -
スキー
無理。
無理すぎ。
スキー、本当に無理なんだけど!!!!!
帰りたい!!!!
唯一3人班の私たち。
有紗と神崎くんはセンスがあるらしく、少しの指導で滑れるようになった。
私は何度教わっても体が言うこと聞かないし、何よりスキー板の上で立つことすらままならない。
「真帆!! いけるよ!!」
「無理〜」
「藤原さんにも苦手なことがあるんだね。可愛い」
有紗と神崎くんに支えられながら移動の練習を続けていると、そのうち浅野先生も私たちの班に合流した。
「ここ3人だから僕も仲間入りするね!」
とまぁ、余計なことを……。
インストラクターと有紗と神崎くんと浅野先生。
4人が私の指導を行うという構図が出来上がる。
2人は上から滑ることができるくらいになっていたのだが、班行動が故に、私も滑れるようにならないと2人も上に上がれない。
どうやら、私が足を引っ張っているようだ。
「藤原さん、大丈夫。僕らが支えるから」
そう言いながら左に浅野先生、右に神崎くんが付いた。
「…………」
どういう状況……。
早川先生が見たら噴火しそうな状況に少し焦りを覚えるが、正直今はそんなこと気にしている場合では無い。
一刻も早く滑れるようにならないと……。
そう思いながら、他の人に気付かれないように横目で早川先生の姿を探す。
遠くに見えた早川先生の隣には……津田さんの姿があった。