青春は、数学に染まる。 - Second -

本音と建前

(side 早川)



藤原さんから不穏なメッセージが届いていた。


3限目。このコマは空き時間。
数学科準備室に籠りながら、そのメッセージを眺めた。





的場さんを入部させる…か。
それは別に構わない。

けれど、浅野先生を顧問にするのは納得がいかない。



更に部員を募集するって?
お断りですね。



確かに昨日の僕の対応は不味かった。
しかし、それとこれは別だ。



「………」



頭をフル回転させて考える。
何か正当な理由は無いか…。








「…あ」






閃いた。
僕も、指導熱心な教師を演じてみよう。



浅野先生が『沢山の生徒に数学を教えたい教師』なら、僕は『少数の生徒にしっかりと数学を教えたい教師』だ。


うん、これだ。完璧。




浅野先生が戻ってきたら話して見よう。
そう決めた。








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