執行人
「いいえ、あなたは生きます。
あなたを守るために私がいるのです。」
低い声がすらすらとしゃべりだした。
「あなたのお屋敷は裏世界を見張る代々の貴族でございます。
もちろん裏世界からはいい思いはされていない。
そして最近になって裏の人間は動き出した。
『一族を殺せ』
つまりあなたもあなたの母も父も殺される・・・。
それどころか、この一族にかかわったすべてのものが
裏世界の汚らわしい獣によって殺されるでしょう。」
「・・・。」
「あなたの母と父はまだ幼いあなたを守りたかった。
そして、思いついた。
死神なら、死をどうにでもできると。
そして私と契約をした。
あなたの母と父の魂はもらう。
その代わり、あなたを一生守ると・・・。
母親があなたを眠らせた後、
裏世界の汚い猛獣たちはまんまと此処へやってきた。
それですべて私が片付けた、ということです。」