執行人
ボーイが僕にあわてて謝る。
「何をやっている!レディー、こちらへ。」
ワルツを中断し、奥の部屋へと案内される。
「この会場は僕が管理しているんだ。
これで拭きましょう。」
寝室かな・・・?
棚から一枚のタオルを持ってきて染みを拭き取る。
「まあ、そのような。大丈夫ですわ^^」
「いいよ。あのボーイは僕の雇っている者でね。すまない。」
「とんでもございません^^」
あ~・・・放火犯のことについて聞けなくなった・・・。
まずいな。
「ちょっとまっててω^」
愛想よく微笑んで他の部屋へパーシヴァル伯爵は歩いていった。
換わりに入ってきたのはハウスメイド。
紫と銀色の中間のストレート髪。
何かを思い出させるような赤い瞳。
身長は僕より高い。