執行人
はっと目を覚ますと目隠しはされていなかったけど、
暗い部屋に閉じ込められているのが分かった。
手には手錠か。
足には鎖。
鎖の先は壁だった。
「さあ、レディー。お相手願えますか?」
目の前にはパーシヴァル伯爵がたっていた。
不気味な笑顔を浮かべて。
さっきとは別人だな。
目を掠めてみるとピンクのドレスには十字架の刻印。
伯爵は手に火のついた棒を持っていた。
あのハウスメイドもこれで・・・。
だとするとあのボーイも・・・。
「さあ。可愛がってあげようね。」
・・・。さ、これでいいかな。
「黒!仕事だ!」
僕は少し大きめの声で発した。
「はい。」
いつの間にか鎖ははずれ手錠も落ちていた。
「遅かったですね。」