陰陽現代事情
「ねえ晴明、あいつら、いったい何なの?」
 学校の帰り、笛美が尋ねてきた。
 笛美は晴明と家が隣同士で、幼稚園の頃からよく一緒に遊んでいた幼なじみだ。晴明の父親のことは近所でも有名だった。笛美は晴明の父親にもよく会っていたので、顔はよく知っている。前髪は薄いが、いい顔立ちをしている。そんな人が近所で変な噂を立てられるほど悪い人だとは、とても思えなかった。
「“左上位”っていうんだ。父さんたちは、あんな変な格好をして、日本をよくするとか言って騒いでる。バカじゃないか?よくなるわけないだろ」
 晴明は、呆れたようにして言った。
「いいこと言ってるつもりなんだろうけど、何かズレてるのよね」
 笛美は、晴明の父親を悪く言うのが辛くて、きつい表現を避けた。
「父さんの評判は悪い。でも僕は、父さんを尊敬している。スプーンを曲げるのも、花瓶を浮かせるのも、みーんな父さんに教えてもらったんだ」
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