陰陽現代事情
「晴明!いつになったら学校を壊すんだよ!」
「す、すぐには壊れないんだ。呪文を唱え続けることで少しずつ壊れていくんだ・・・・」
 晴明は、父親のアドバイスで何とかその場は振り逃げた。しかし、こんな言い訳が、いつまでも通用する訳がない。晴明は冷汗をかいていた。
「お前が超能力を使わないと、俺たち退屈するんだ。簡単なやつでいいからやってくれよ」
 クラスメートたちの、晴明への注文は、収まることはなかった。
「ちぇっ、しょうがないな・・・・」晴明は、両手を構えた。

「晴明、見てたわよ。超能力使ってたでしょ。何で約束守れないの?」
 笛美が怒った表情で晴明に言った。
「迷惑かけてるわけじゃないからいいだろ。脅されてるんだよ。超能力使わないと僕がひどい目にあうんだ」
「言い訳はやめて。超能力に頼ってると、あんたがダメになってしまうわ。なんでも超能力で解決しようとする、ずるい人にはなってほしくないの・・・・晴明には、普通の人でいてほしい・・・・」
 笛美の目は潤んでいた。
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