婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
『会いたいです。 今日、仕事が終わったら家に来ませんか?』
メッセージの送り主は翔くんだ。彼も会いたいと思ってくれていたこと、そのために忙しい合間を縫って時間を作ろうとしてくれていること。もう全てが嬉しくて幸せで、気を抜けば口元が綻びそうになるのを堪える。もう、これだけでなんでも頑張れる気がするのだから不思議だ。恋ってエネルギーになる。私の先で頑張っている彼に思いを馳せて、その隣に並んでも恥じない仕事をしようと心に決めた。
退社後、マンションとは別の方向に歩みを進める。こっちに向かって帰るのは久しぶりで、なんだかすでに懐かしい感じもする。翔くんは十九時までには帰れるそうで、私は彼の帰宅を家で待つことにした。同居中は私が持っていた合鍵を、想いが通じ合ったその日にもう一度渡してくれたためできることだ。先に帰っていることは了承してくれて、あとは夕飯でも作って待っていよう。やってることは付き合いたての関係にしては積極的な気もするけど、私たちはすでに同居を経験済みのため大したことではない。ほぼ日常みたいなものなのだ。
翔くんの家のキッチンは調理器具が充実している。私は道すがら軽く買い物だけして彼の家にお邪魔する。淡い色のスリッパがちゃんと並んでいるのに頬が緩んだ。
メニューはこの間たまたま見つけた、翔くんの好きそうな味付けのパスタ。翔くんはなんでも喜んでくれるけれど、張り切って和食を用意しても、彼の作る方が美味しいからね。
メッセージの送り主は翔くんだ。彼も会いたいと思ってくれていたこと、そのために忙しい合間を縫って時間を作ろうとしてくれていること。もう全てが嬉しくて幸せで、気を抜けば口元が綻びそうになるのを堪える。もう、これだけでなんでも頑張れる気がするのだから不思議だ。恋ってエネルギーになる。私の先で頑張っている彼に思いを馳せて、その隣に並んでも恥じない仕事をしようと心に決めた。
退社後、マンションとは別の方向に歩みを進める。こっちに向かって帰るのは久しぶりで、なんだかすでに懐かしい感じもする。翔くんは十九時までには帰れるそうで、私は彼の帰宅を家で待つことにした。同居中は私が持っていた合鍵を、想いが通じ合ったその日にもう一度渡してくれたためできることだ。先に帰っていることは了承してくれて、あとは夕飯でも作って待っていよう。やってることは付き合いたての関係にしては積極的な気もするけど、私たちはすでに同居を経験済みのため大したことではない。ほぼ日常みたいなものなのだ。
翔くんの家のキッチンは調理器具が充実している。私は道すがら軽く買い物だけして彼の家にお邪魔する。淡い色のスリッパがちゃんと並んでいるのに頬が緩んだ。
メニューはこの間たまたま見つけた、翔くんの好きそうな味付けのパスタ。翔くんはなんでも喜んでくれるけれど、張り切って和食を用意しても、彼の作る方が美味しいからね。