婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
母の問いかけにつんとして返す遥太。そんなこと言って、遥太はもう翔くんの誠実さを十分分かっているのだろう。
「二人の思うようにしなさい。 助けが必要な時は力になろう」
父ははっきりとした声で言った。翔くんが「ありがとうございます」と頭を下げ、母は「夕飯食べていく?」なんてご機嫌だ。遥太もすぐには帰らないらしい。なんだかんだで翔くんと仲良くなりたいとは思っているのか、素直じゃない弟だ。
私の家族に翔くんが加わって食卓を囲むのは当たり前だけど慣れなくて、なんだか気恥ずかしかった。私はそのまま実家に泊まることにして、彼が帰るのを外まで見送る。
「ありがとね。うちの家族に付き合ってくれて」
「楽しかったです。小春さんの運動会のかけっこ、可愛かったし」
「ちょっと、忘れてよそれ!」
母がどこからか持ち出してきて、小学校の時の徒競走のビデオを鑑賞するという恥ずかしすぎる所業を思い出され私は顔を赤くする。
「小春さん、生まれてきてくれてありがとうございます」
「誕生日じゃないんだから…」
「ご両親には感謝しかないです。おかげで俺は小春さんに出会えました」
目を細めて慈しむように私を見る瞳。私の大好きな瞳が私を宿して輝いていた。
「二人の思うようにしなさい。 助けが必要な時は力になろう」
父ははっきりとした声で言った。翔くんが「ありがとうございます」と頭を下げ、母は「夕飯食べていく?」なんてご機嫌だ。遥太もすぐには帰らないらしい。なんだかんだで翔くんと仲良くなりたいとは思っているのか、素直じゃない弟だ。
私の家族に翔くんが加わって食卓を囲むのは当たり前だけど慣れなくて、なんだか気恥ずかしかった。私はそのまま実家に泊まることにして、彼が帰るのを外まで見送る。
「ありがとね。うちの家族に付き合ってくれて」
「楽しかったです。小春さんの運動会のかけっこ、可愛かったし」
「ちょっと、忘れてよそれ!」
母がどこからか持ち出してきて、小学校の時の徒競走のビデオを鑑賞するという恥ずかしすぎる所業を思い出され私は顔を赤くする。
「小春さん、生まれてきてくれてありがとうございます」
「誕生日じゃないんだから…」
「ご両親には感謝しかないです。おかげで俺は小春さんに出会えました」
目を細めて慈しむように私を見る瞳。私の大好きな瞳が私を宿して輝いていた。