婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
「小春さーん! おはようございます、今日も会えて嬉しいです」
爽やかな朝にぴったりの屈託ない笑顔で私の元に駆け寄ってきたのは、私が指導係を担当している後輩、夏樹翔(なつき あきら)くん。後輩と言っても歳はひとつしか変わらないのだけれど、彼は今年の四月に配属されたばかりなので一応。彼がこの広報部に来てからもう1年が経とうとしているけれど、半年ほど前から夏樹くんはこの調子なのだ。
私は彼の太陽みたいな明るさに、眉を下げて苦笑する。今日も朝から眩しい。
「おはよう。仕事だし、会うのは当たり前じゃないかな…あと、ここ会社だから。名前で呼ぶのはやめて」
「じゃあ、俺も小春さんも健康に今日を迎えられたことに感謝します」
若いってすごい。フレッシュすぎて眩しいよ。一個下だけど、私が4月、夏樹くんは3月に誕生日だから、ほぼ二歳差みたいなもの。そして私にはそのくらいの弟がいるので、この無邪気さはどことなくその弟を思い出させる。
そして名前呼びに関してはスルーの方向なのね。
「おはよ〜。今日も夏樹は小春ラブだねぇ」
「矢野先輩、おはようございます」
夏樹くんの次に顔を見せたのは、同期の矢野菫(すみれ)だ。
「おはよう、菫」
菫や他の人には普通なんだよなぁ、夏樹くん。人懐っこい表情はいつも誰にでもだけど、名前で呼ぶのとか、こう、目がキラキラしてるのとか…。
夏樹くんは、私のことが好き、らしい。それは周知の事実で、この半年でことある事に告白を受けている私は、もう彼の好意にはだいぶ慣れた。周りも明らかに私にだけ態度が違う夏樹くんを咎めることもなく、今では上司までその様子を見守っている。
最初に告白をされた時、夏樹くんのことは後輩として…みたいな感じでお断りしたつもりだったんだけど、彼は諦めなかった。その結果、靡かない私を追い続ける健気な後輩…みたいな図が出来上がっている。
爽やかな朝にぴったりの屈託ない笑顔で私の元に駆け寄ってきたのは、私が指導係を担当している後輩、夏樹翔(なつき あきら)くん。後輩と言っても歳はひとつしか変わらないのだけれど、彼は今年の四月に配属されたばかりなので一応。彼がこの広報部に来てからもう1年が経とうとしているけれど、半年ほど前から夏樹くんはこの調子なのだ。
私は彼の太陽みたいな明るさに、眉を下げて苦笑する。今日も朝から眩しい。
「おはよう。仕事だし、会うのは当たり前じゃないかな…あと、ここ会社だから。名前で呼ぶのはやめて」
「じゃあ、俺も小春さんも健康に今日を迎えられたことに感謝します」
若いってすごい。フレッシュすぎて眩しいよ。一個下だけど、私が4月、夏樹くんは3月に誕生日だから、ほぼ二歳差みたいなもの。そして私にはそのくらいの弟がいるので、この無邪気さはどことなくその弟を思い出させる。
そして名前呼びに関してはスルーの方向なのね。
「おはよ〜。今日も夏樹は小春ラブだねぇ」
「矢野先輩、おはようございます」
夏樹くんの次に顔を見せたのは、同期の矢野菫(すみれ)だ。
「おはよう、菫」
菫や他の人には普通なんだよなぁ、夏樹くん。人懐っこい表情はいつも誰にでもだけど、名前で呼ぶのとか、こう、目がキラキラしてるのとか…。
夏樹くんは、私のことが好き、らしい。それは周知の事実で、この半年でことある事に告白を受けている私は、もう彼の好意にはだいぶ慣れた。周りも明らかに私にだけ態度が違う夏樹くんを咎めることもなく、今では上司までその様子を見守っている。
最初に告白をされた時、夏樹くんのことは後輩として…みたいな感じでお断りしたつもりだったんだけど、彼は諦めなかった。その結果、靡かない私を追い続ける健気な後輩…みたいな図が出来上がっている。