婚前どころか、フリですが ~年下御曹司?と秘密の溺甘同居~
「あの、何があったんですか?」
スタッフはちらりと私の首元のカードを見て関係者であることを確認し、声を潜める。
「証明書を持たない人物がホテルに来ているかもしれないと…」
「え、それって…」
「ええ。 さきほど上のフロアで怪しい人物を見たとの証言もあり、今警備課の方々が防犯カメラの確認を…」
そこでスタッフの女性は別のスタッフに呼ばれていった。情報を聞きつけた人たちが警備に当たっているスタッフに問い合せた結果がこの状況なのだろう。
振り返ると、翔くんが警備課の男性と話しながら人だかりを抜けてくるところだった。
「…、頼む! 短時間でいいから手を貸してくれ」
「いや、今俺は警備課の人間ではないし、無理だ。 本部に応援要請は?」
「もうしてる。 だがこれはかなりの緊急…――」
切迫感のある会話の最中、突然パリーンと何かが割れる音と悲鳴が響き渡った。恐らく今いるフロアではないが、音を聞いた人たちも比例するように騒ぎが大きくなる。
警備課の男性がインカムを押さえて険しい表情を浮かべる。
スタッフはちらりと私の首元のカードを見て関係者であることを確認し、声を潜める。
「証明書を持たない人物がホテルに来ているかもしれないと…」
「え、それって…」
「ええ。 さきほど上のフロアで怪しい人物を見たとの証言もあり、今警備課の方々が防犯カメラの確認を…」
そこでスタッフの女性は別のスタッフに呼ばれていった。情報を聞きつけた人たちが警備に当たっているスタッフに問い合せた結果がこの状況なのだろう。
振り返ると、翔くんが警備課の男性と話しながら人だかりを抜けてくるところだった。
「…、頼む! 短時間でいいから手を貸してくれ」
「いや、今俺は警備課の人間ではないし、無理だ。 本部に応援要請は?」
「もうしてる。 だがこれはかなりの緊急…――」
切迫感のある会話の最中、突然パリーンと何かが割れる音と悲鳴が響き渡った。恐らく今いるフロアではないが、音を聞いた人たちも比例するように騒ぎが大きくなる。
警備課の男性がインカムを押さえて険しい表情を浮かべる。