美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 何を言っている?サボテン?

「……」

「あ、あの、もしかして、神崎さんも欲しかったんですか?それなら今度もっと大きいのを持っていきますね。どんなのがお好きですか?サイズとか」

「何を言っている……そうじゃない、親しそうだったじゃないか。あいつも赤くなって笑っていた」

「え?笑って……それはサボテンの形がちょっとおかしくて……神崎さん?」

 お互いで顔を突き合わせて黙る。

「「ぷっ……あはは」」

 ふたりで笑い出した。
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