美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 もちろん、椎名さんの力も大きいのだろう。副社長の彼が細かいことまで指示したとは思えないが、この反響の大きさには驚いた。

 材料がなくなってしまい、どうしようと思っていたところに突然椎名さんが現れた。

「いかがでした?少しは反響がありましたか?あれ、商品がほとんどないですね。これはもしかして……」

「ええ。ありがとうございました。神崎造船のインスタのお陰でビジネス街の他の会社の人から求められました」

 椎名さんはにっこりした。

「そうですか。それはよかった。さすが蓮様。目の付け所がよかったですね。いや、でも、清水さんのアレンジ力があってこそですよ。さすがですね」

「神崎さんは……こうなることを予測していたんですか?」
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