美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「そう。それならよかったよ。でも、なんか元気がないな。何かあった?」

 怖い。どうしてそんなことまでわかるの?こうやって相手の声までよく聞いて、ご機嫌を取りながら経営しているのかな。

 私、なんだか可愛くない考え方になりつつある。

「おい、どうした?大丈夫か。混雑しているみたいだから疲れたんじゃないのか?手伝いを寄越すように名取に頼んでやる。無理するなよ」

「……いいえ、大丈夫ですよ。それに明日は休業日です。あさってイベントがあるので準備しないといけないですし」

「ふーん。イベントには名取も来るんだろ?」
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