美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「名取フラワーズって書いてある。ああ、聞いたことあるけどうちじゃ使ったことないわね。シャンパンフラワーが一番ね。やっぱりゴージャスだもん」

「そうよね。ノースエリアではホテルのフローリストが一番よ」

 すると、後ろから私の背中をポンとたたいて、名取さんが現れた。

「お嬢様がた。名取フラワーズにもそういった花はございますよ。よろしければ私が手配して今からご希望のアレンジを教えて差し上げましょう。ただし、この教室の参加条件の金額では無理ですので、追加料金をいただきますよ」

 ふたりは驚いたように顔をあげた。

「あなたはだれ?」

 すると、隣から彼が言った。
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