美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「名取フラワーズの代表だよ。知らないのか?君たちも勉強不足だな」

「神崎さん!」

 二人の女性は声を上げた。名取さんはため息をついている。

「神崎。君の言った通りになったな。例の花は入れてあるんだろうな?」

「もちろん。あっちのテントに準備済みだ。天下のベリが丘だからな。こういうお客様が現れる可能性は高い」

 私はあっけにとられた。まさか、セレブリティ向けの花材を準備していたの?私は聞いてない!

 名取さんが私を見て、苦笑いした。

「清水。そんな顔するな。午前中は盛況だったようだな。区長から礼を言われたよ。引っ越してきたばかりのご家族がアレンジを見せてくれたそうだ。こんな花を飾れるベリが丘に引っ越してきてよかったと言っていたそうだ」
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