美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
「名取さん、でも……」
「この土地はセレブ感溢れる憧れの街なんだよ。今日はそのために俺も来たんだ。セレブ向けの花はすべて神崎に頼んであのテントに準備させている。この手のお客様はあちらのテントに誘導してくれ。俺が引き受ける」
「そんな、あの……」
「清水さん。花を定期的に欲しがるセレブのお嬢様方を満足させてこそあの店は大きくなる。ほら、後ろに家族連れがいる。頼むぞ」
周りをあっという間にセレブ女性に囲まれた神崎さんは私にウインクした。すると周りの女性達が歓声をあげた。
名取さんが彼に声をかけた。他の女性達が名取さんも囲み始めた。アイドル並みだ。もう、二人は見えない。