美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
 
 ふてくされていた僕は椎名に聞いた。

「椎名」

「なんですか?」

「例のクルーザーと花火大会のコラボ企画の件だ。ベリが丘の区役所に確認したか?」

「はい、もちろん。二か月前には書面を出しておかないと間に合わず、許可がおりない可能性もあるとのことでした」

「ふーん。おい、花屋の休みはいつだったか知っているか?」

「急にまた……えっと確か火曜日だったかと思います。今日は月曜ですので、明日ですかね」

「そうか。椎名、明日午後から僕は休む」
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