美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「……相変わらず、口だけは達者ですね。言い訳も堂にいっています。でも、明日の彼女の予定を先に抑えるべきかと思います」

「そうだな、僕との約束より優先すべきものはないと思うが、一応なんでも備えは必要だな」

 椎名が口元を押さえてクックと笑っている。なんなんだ。

「うまくいくといいですね。旦那様がお喜びになられることでしょう」

「は?何が?仕事はきちんとやっている」

「はい、はい。そうですね」
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