美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

 わけがわからない。

「あの……」

「僕はね、お金なら結構たまってるんだ。今回、こういう有意義なことにお金を使えて満足してる。それに、まだまだこれからも僕の金が必要だ」

「なぜですか」

「独立したいんだろ?それならもっと思い切って金を使って花を増やさないとな。ぼくらで名取をぎゃふんと言わせるような、立派な花屋にするんだ」

「……」

 びっくりして声が出ない。ぎゃふんと言わせる花屋って……。
< 153 / 403 >

この作品をシェア

pagetop