美しき造船王は愛の海に彼女を誘う

「だから、まだまだ投資してさらに新しいことをしないとだめだ。ブラッサムフラワーならではの、名取グループとは一線を画す道を探るんだよ」

 饒舌な神崎さんを前に私は黙った。

「おーい、聞いてる?」

「……神崎さん。少しプランが壮大すぎます」

「そう?言っておくけど、実際はまだまだだよ。でもプランは早めに練らないとだめなものなんだ。今回のことでわかっただろ?」

 確かにわかった。彼に導いてもらって、先回りの大切さはよーくわかったつもりだ。

「話がそれた。明日、定休日だろ」
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