美しき造船王は愛の海に彼女を誘う
第四章 アプローチのはじまり

デート

 翌日はとてもいい天気だった。

 彼のご両親行きつけのホテル最上階のレストランでお茶をした。

 店長が驚いていた。女性連れでふたりっきりというのはお母さま以外今までなかったそうだ。

 彼が仕事の電話が入り席を外した時に、店長からそう言われて、私はそういう方ですかと聞かれた。

 そういう方って……いえ、お仕事でご一緒しておりますと言ったけどいいんだよね。デートというのは冗談だろう。

 その日の彼の装いはとても素敵だった。

 白地にブランドのロゴが入ったポロシャツ。ブルーのパンツ。サングラス。白の革靴。そしていつもの美貌。
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